こんにちは、わさんみつです。
もはやラーメンの一つのジャンルとして定着しつつある「二郎系ラーメン」。全国に多くのコアなファンを抱え、とりわけ人気店ともなれば、毎日行列が並び多くの人に愛されています。
群馬県は高崎市にある『自家製ラーメン 大者』もまた、多くの人に愛される人気「二郎系ラーメン」店です。簡素な店内に黙々と麺と向き合う店主さんの姿、そしてカウンターでじっとその時を待つお客さんによって生み出される雰囲気は、まさしく古典的な「二郎系」のそれであります。
しかし、『大者』は単にありきたりな「二郎系」というわけではありません。むしろそこには、来る人を惹きつけ、時には突き放す(?)自家製ならではの強い個性を放つ一杯がありました。
というわけで今回は、高崎に行ったら一度は立ち寄って欲しい名店『自家製ラーメン 大者』についてレビューしていきます。是非ご参考にしてください。
行列
7月某日夜9時。群馬県は高崎市、環状線沿いにしばらく車を走らせたところに、そのお店はありました。
イラスト屋みたいなノリの看板の前にずらっと並ぶ行列、その数ざっと見で20人弱。このお店がいかに人気があるのか伝わってきます。めちゃくちゃ空腹で倒れそうですが、並ばずにはラーメンにはありつけないので仕方なく並びます。
店内に入ってから気づいたのですが、このお店はカウンターに座っているお客さんのラーメンを一斉に提供するシステムらしく、お客さんも10人弱の人数がほとんど一斉に入れ替わります。外で並んでる人からすれば、「めっちゃさくさく列進むやん!」「全然列動かんやん」の繰り返しを2,30分の周期でやらなければならず、慣れてないと地味にストレスがたまります。ただでさえお腹ぺこぺこだしね。
てなわけで40分近く並んだところで、ようやく店内に入ることが出来ました。
店内
店内に入るとすぐ右手に食券機がありました。メニューも至って簡潔で、主なメニューは「ラーメン 750円」「油そば 780円」「汁なし 780円」のみ。これに加えて、有料トッピングの類がいくつかあります。
初めての来店なので、ここは無難に「ラーメン 750円」をチョイスします。
食券機のボタンを押すと、青い札のようなものが出てきました。これをカウンターの前に置いとけば、「ラーメン頼んだよ」という意思表示になるようです。空いている席を見つけると、私も周囲にならって札を前に置きます。
店内は音楽もこれといった装飾もなく、黙々とラーメンを作る二人の店員さんの息遣いだけがささやかに響いています。それを黙って待ち続ける、カウンターにずらっと並んだ10数名のお客さん。慣れてない人にとっては相当異様な雰囲気に思えるかもしれませんが、とても「二郎系」らしさに溢れていて愛おしいです。
とはいえ退屈は退屈なのでスマホでもいじりながら時間を潰していると、不意に甲高い声が店内に響き渡りました。
「トッピン!」
どうやら店主さんが、「あなたのトッピングはなんですか」という質問をお客さんに投げかけているようです。これまで一言も発しなかった店主さんの鋭い問いかけ。それはまるで全盛期の藤川球児のストレートのように、150キロは優に超えるであろうスピードでこちらに飛んできます。
いつ「トッピン!」が飛んでくるのだろうという緊張感と、まもなくラーメンが食べれるという高揚感で、胸がざわざわと騒ぎ出します。とはいえ、ここで動揺を表に出したら初心者感丸出しです。恥ずかしいやつです。冷静を装い、その瞬間を待ちます。
『大者』の無料トッピングは「ヤサイ」「ニンニク」「アブラ」「カラメ(味を濃くする)」の4種類です。熟慮の結果「ニンニク」「カラメ」を選びましたが、結論から言えば普通に失敗でした。というのも、想像以上に味が濃くなってしまったのです。「カラメ」で味を濃くするのであれば、「ヤサイ」も頼んで全体の量を増やしておくべきでした。今後の教訓にします。
実食
いよいよその時が来ました。
店主さん「トッピン!」152キロ
私「ニンニクカラメで」カツン
球審「ファール!」
際どいコースのストレートを、ツーストライクから際どいコースを辛うじてファールで逃れるような感覚でなんとか食らいつくかのように、突然飛んできた「トッピン!」になんとか対応します。いよいよラーメンの登場です。
さすがは二郎系のボリュームです。あふれんばかりのもやしと豚のタワーが麺を覆い隠す様は、まるで銀世界に包まれた山々のように、実に壮観で、人々の心を魅了する絶景であります。
「いただきます」と小さくつぶやいた後、さっそく箸を麺に伸ばしていきます。
・・・!
・・・なんだこれ!
初めて口にする食感。言葉で表現するなら、グワグワというか、パキパキというか、ボキボキというか。太めの面に対して茹で時間が相当に短いため、小麦の香りの主張が強くなかなかに硬い。
初めて口にした時の違和感はすさまじいものがありましたが、一口、二口と食べていくうちに、気づけばその麺の魅力に引き込まれていました。
なお、お客さんによっては、ちょっとこの麺は口に合わんな・・とあまり口をつけずに帰る方もいるそうですが、お願いすれば柔らかめの麺も提供してくれるらしいので、是非そちらの方も試してみてはいかがでしょうか。
濃厚なスープやしっかり味付けされた豚もとても美味い。トッピングをカラメ(味濃いめ)にしたせいでちょっと濃くなりすぎてしまいましたが、それでもヤサイや麺との相性ばっちりで、日々の行列も頷けます。
無論、二郎系インスパイアですので量はがっつりあります。腹11分目ぐらいまで無理やり詰め込んで、これ以上食ったらお腹が爆発するという寸前でお店を後にしました。
感想
食べた直後は「食い過ぎた・・。もうしばらくいらねーわ・・。」と思いながら、3日後にはまた食べたくなる。あの個性的な麺が、濃厚なスープが飲みたくなる。美味しいラーメン屋が持つ不思議な「中毒性」を、この『大者』さんもまた、確かに持ち合わせていました。
おそらく麺に関しては人によって好き嫌いが分かれるところかと思います。ですが、長い行列を我慢してでも一度トライしてみる価値はあります。麺さえ気に入れば、それはもう新しい世界の扉を開くように、やみつきになってしまうこと間違いなしです。ああ、次はいつ行こうかな。早くまた食べたい。
『自家製ラーメン 大者』の概要
住所 群馬県高崎市貝沢町1282‐1
定休日 日曜、水曜
営業時間 11:00~14:15/19:00~22:00(材料がなくなり次第終了)
駐車場 有り。ただ、お店の前は停めれる台数が少ないので、近くの大利根書店さんの駐車場を利用するかと良いかと思います。